昨日、久々に田んぼでカエルを観察しました。
田んぼでは、中干しも終わり(8月10日に15日ぶりに水が上がりました)、また田んぼに水が入っています。
カエル達は、ほとんどが変態・上陸し、幼体が非常に多く見られる時期になっています。
昨年秋、ダルマガエル約580個体の引っ越し先となった今の保護田んぼでは、ダルマたちの繁殖がうまく行われたのでしょうか?
7月に一度、ダルマガエルの卵塊を見つけたことは報告済みです。
その後、ダルマガエルらしき幼生(オタマジャクシ)はいくらか観察しています。
しかしなにぶん、トノサマガエルとの区別が難しいので、ダルマガエルの繁殖が成功している(親にまで成長できた)、という証拠はまだ見ていませんでした。
ということで、トノサマガエルとはっきり区別できる幼体を対象に、保護田んぼの中を歩き回って調べました。
その結果、写真のようなかわいい幼体を見つけることができました。
このような幼体が20個体見つかりました。
(一部は隣の田んぼからやってきた可能性もあります)
去年までの保護田んぼでは、田んぼを歩くと数え切れないほどの幼体が飛び跳ねていたので、それと比べるときわめて少ないと言えます。
少ないですが、いまの保護田んぼで繁殖できたことが分かりました。
なんとか、繁殖できること、繁殖場になったと考えられる溝は、中干しの間も水位をキープできていたことから、とりあえずは、今の環境でもう少し様子を見たいと思います。
まえの保護田んぼでも、ダルマガエルの大量繁殖は、溝を作って2年目から見られましたので。
他の移動先となった田んぼ2箇所も調べました。
1箇所ではダルマガエルの幼体が17見られ、繁殖しているようでした。
もう1箇所では、藤沢さんが写真のような溝を作ってくれていたのですが、ダルマガエルの繁殖は見つかりませんでした。
溝以外の場所も、もう少し調べたいと思います。
また、移動先以外の田んぼでも、ダルマガエルの幼体が確認され、いろんなところで繁殖できていることが分かりました。
さらには、こんな幼生が…
ダルマガエルの幼生です。
(トノサマガエルはこんな時期に繁殖しないハズなので)
全長が20~25mmくらいで、まだ小さいです。
ある1枚の田んぼで、同じような幼生が28見つかりました。
たぶん、中干しが終わったあと、つまり8月10日以降に産卵したのだろうと思います。
ダルマガエルは7月以降も繁殖することがある、と言われますが、その通りですね。
ダルマガエルは、河川氾濫源の、より低くて増水の影響を受けやすい水辺に生息していたと考えられています。
水辺が豊富な環境のなかで、繁殖のチャンスを最大限に活かそうとするダルマガエルならではの繁殖戦略ではないでしょうか。
この田んぼの耕作をしている人が、あまり水を落として乾かすことなく管理をしてくれると、今日見た幼体にまで成長できる個体がたくさんいるだろうと思われますが、…どうなるでしょうか。
最後に、話が変わりますが、保護田んぼでは、イネの間にまた草が見えてきました。
あれ? このまえ、完璧! と思ったばかりだったのに…
そうではなかったようです。
また草抜き、がんばりましょう。