地元の方と

ダルたんの田植え&旧保護田んぼの引っ越し作戦まで、一週間を切りました。
 
22日当日は、田植えのみ、ダルマガエルの引っ越しのみ、あるいは両方、どの形でもOKです。
 
もちろん、両方来てもらえるとうれしいです。
 
ちなみに、田植えの時もダルたんでのカエル生息調査をするので、ダルマガエルをいっぱい捕まえてもらいます。
 
ダルたんに関する情報は、また掲載できればと思います。
 
 
 
さて、今日はダルたんの整備をした6月7日のこぼれ話を。
 
お昼になり、いったん解散した時に、ダルたんの前でご近所のNさんと会いました。
 
Nさんは、地元でとても顔が広く、生き物にもすごく優しい、気のいいおじさんです。
 
 
まあ、コーヒーでも飲め、ということで、少しお邪魔しました。
 
Nさん宅のガレージの前、大きなセンダンの木の木陰に、テーブルがしつらえられていました。
 
山陽新聞記者でプロジェクトメンバーでもある、Uさんが訪問されていたところでした。
(Uさんは大病を経られて衰えはあるものの、お元気そうなお顔を久しぶりに拝見できました。)
 
 
さて、コーヒーをいただいていると、すぐ裏手のNさんの田んぼの隅で、大きな生き物がのたうつのが見えました。
 
「あ、ナマズじゃないですか!?」
 
2人で駆けつけてみると、やはりナマズでした。
 
ちょうどNさんの田んぼでは水を入れているところであり、繁殖場所を探して水路をうろついていたナマズが進入したものと思います。
 
 
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殺生を好まないNさん。
 
田んぼに水がたっぷりある間はいいですが、少しでも干上がると死んでしまうということで、救助することにされました。
 
早速網をもってきて捕まえ、水路にリリース。
 
イメージ 2
 
 
 
なお余談ですが、進入口は、このような塩ビのパイプ。
 
イメージ 3
 
 
大野では、定期的に“田面<水路の水位”となります。
 
こうしたパイプを設置することで、水路が増水した時に自動的に水が入るようになります。
 
また、田んぼに突き出た部分は、回転して角度を変えられるようになっていて、その口の高さを調節することで、田んぼの水を好きな水位に維持することができるということです。
 
 
 
話を戻します。
 
 
すぐに外へ逃がさなくても、田んぼの中でナマズに産卵させてあげたらいいんじゃないですか?
 
と私は言ったのですが、Nさんは、自分の田んぼで死なれてしまうのが嫌なようです。
 
以前、Nさんの田んぼにダルマガエルを移動させてよいか、聞いたことがあります。
 
返ってきた答えは、
「そんな大事なカエル、トラクターでひき殺したらかわいそうじゃが」
 
いやいや、田んぼに生息するダルマガエル、トラクターにも、農薬にも負けずに生き延びているんですよ、とは言うのですが、そうした理屈以前に、とにかく生き物を殺したくないNさん。
 
豪快に見える風貌には似合わないほど、やさしい方です。
 
 
こんな方に、プロジェクトメンバーに加わってもらって、カエルの保全をいっしょにやれたら、どんなに素晴らしいか、と思います。
 
農業もできるし、地元への顔も大変によくきくしで、まさに100人力です。
 
 
 
ダルマガエル保全プロジェクトの目指すところとして、
 
岡山県に、ダルマガエルが生息できるお米作りを普及させる!
 
という、大きな大きな最終目標があります。
 
 
それはそれとして、地域レベルで考えると、
 
地元で田んぼを作っている人たちが、カエルの保全作業をする。
 
田ん1枚でもいいので、カエルのために溝を余分に作ったり、そうした田んぼを地元の小学校や幼稚園の体験学習の場にしたり、収穫祭のようなちょっとしたイベントを町内の行事にしたり・・・
 
そのような活動を、細々と続けるだけで、地域のダルマガエルとそれが生息する農業遺産(?)は、守ることができるのではないかと思います。
 
そんなオッチャン達のサポートとして、我々が広告を作ったり、生息調査をしたり。
 
こういうことができれば、保全の一つの形として、最高だなあ、と思ったりします。
 
 
そのためには、これまでのやり方だけではダメで、いっそうの努力が必要ですけど。
 
とりあえず  「ダルマガエル」 の地域への浸透は進みつつあります。
これからです。