旧保全水田

7月31日のこと。
 
久々に旧保全水田に行きました。
 
残ったダルマガエルを保護移動させるため、また最後に思い出の田んぼを見ておこうかな、という思いからです。
 
 
保全水田は、この8月から造成される予定です。
(実際の所はまだ手つかず。でも、着工は時間の問題…)
 
開発される予定だし、もう再三カエルの引っ越しをしたし、で、管理放棄した状態です。
 
草ぼうぼうの荒れ放題でした。
 
 
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ついに、ヨシやらガマまで生えてきました。
 
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草のせいもあるでしょうが、思った以上にカエルの姿を見かけませんでした。
 
 
溝も大部分が草に埋もれていました。
 
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保全水田には今年もダルマガエルがたくさんいたので、溝で繁殖した幼生や幼体が残ってるんじゃないか、とにらんでいました。
 
成体はたくさん引っ越ししたけど、幼生や幼体もいたら引っ越ししたいと思っていました。
 
 
 
それで網を入れてみたんですが…
 
 
結果は大ハズレ!
 
溝の中は、ザリガニ天国でした。
 
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他にはメダカやコガムシなんかがちらほらいた程度。
 
ダルマガエルどころか、カエルの幼生や幼体自体が全くのゼロでした。
 
 
少なくとも6/22には、溝の中でトノサマガエルの卵塊が少なからずありました。
 
すでに変態して陸に上がってしまったのかも知れませんが、この時期に幼体も全く見ないということは、ほとんど幼生のときにに死んでしまったのではないかと感じました。
 
つまり繁殖失敗?
 
ザリガニがこんなにいるので、程度は分かりませんが、影響はあったでしょうね。
 
 
水域の環境が安定して続くと、どうしてもアメリカザリガニジャンボタニシが増えてくるようです。
 
これらを抑え、カエルが安定して繁殖するには、ちょっと不安定な攪乱環境が良いのでしょう。
 
ダルマガエルを始め田んぼのカエルは、元来が河川の氾濫源の生き物と考えられます。
 
そういう意味では、毎年夏場だけ水があり、その前後では地表が耕起される田んぼは、カエルにとってうってつけの繁殖環境になるんでしょうね。
 
溝の場合だと、毎年掘り返したり、場所を違えて作り替えたり、ときには違う田んぼに作ったり、といった環境のリセットが必要なのかも知れません。
 
骨が折れます。
 
 
 
さて、旧保全水田には子ガエルはいませんでしたが、昨年以前に生まれたであろう、大きめのカエルの成体はたくさん見つけることができました。
 
やはり溝周りに集まっていました。
 
 
結局ダルマガエルは、2本ある溝のうち東側の溝で、9頭捕まえました。
 
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どれもLサイズの立派な親ガエルでした。
 
なぜか、溝の中でも10mくらいの決まった範囲に集まっていました。
 
水深が浅くてザリガニが少なかったからでしょうか? 謎です。
 
 
 
ダルマガエルはダルたんへ持って行き、今年作った真ん中の大きな溝へ放しました。
 
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また来年、ここで繁殖してほしいものです。
 
 
さてこれで、旧保全水田からのダルマガエルの引っ越しは、何頭になったんでしょうか?
 
2012年に890頭
 
2013年に136頭
 
そして今年は、
引っ越し作戦で181頭、伊藤さん始めメンバーの地道な保護移動で合計281頭、合わせて462頭!
 
3年間の合計で、1,488頭!!
 
 
それでもまだ少し取り残したダルマガエルはいます。
 
 
保全水田がどれほどダルマガエルの生息に適した場所であったか、分かります。
 
ダルたんでは、旧保全水田のいいところを参考にして田んぼ作りをしているつもりですが、まだまだです。
 
なんとかしたいです。
 
 
 
 
ちなみにこの日は、溝の中にこんなのもいました。
 
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20cm級にまで育ったナマズ
 
 
そういえば、6月に田ん活部のT田氏が、旧保全水田にナマズが入っているのを観察したと言っていました。
 
その個体の子供かどうかは分かりませんが、ここで産卵して、見事に大きくなり仰せたということですね。
 
これは外の水路に放しました。