ダルたん整備
5月27日、ダルたんの姿がちょっと変わりました。
これまでの観察から、ダルマガエルが存続するには、普通の水田よりも成体がたくさん棲むことができ、たくさん繁殖できる 「核」 となる生息地が必要ではないかと思っています。
これを 「コア生息地」 と仮に呼びます。
コア生息地があれば、そこを起点に周辺の水田にもダルマガエルは広がり、大きな個体群を形成することができるのではないかと思います。
逆にこれがなくなれば、徐々に数を減らしていき、場合によっては数年で姿を消すことになります。
普通の水田では、安定して繁殖できる水場や、成体が安心して暮らせる草地などが十分ではなく、天敵に食べられたりして減る数の方が多いためではないかと思われます。
ちょっと能書きをたれてしまいましたが、要するに、ダルたんにはコア生息地としての役目が必要なのです。
開発前の生息地や、最初の保全水田は、その役割をしっかりと果たしていました。
コア生息地に必要な環境は、安定した繁殖水域と成体の生息場(隠れ場、餌場、越冬場)。
そのためにダルたんでは溝をつくり、掘った土を盛り上げ、草地も残しました。
しかし、2012以降の引っ越し後、ダルたんでは数が減るばかり。
トータルでおよそ1,000匹のダルマガエルを放していますが、今では、100匹捕まえられる自信がありません。
これはどげんかせんといかん! ということで、今回の整備となりました。
今までは我々がクワやスコップをふるって溝など作っていましたが、いかんせん、
規模が小さい、すぐ埋もれる、何よりしんどい、という状況でした。
そこで思い切って重機をを投入しました。
メンバーのお知り合いに依頼し、3.5tのバックホウが登場。
まず枯れ草をどけて、
田んぼの土の表面10cm程度をかき集めます。
それを一列に盛りつけていき、
ひとまず完成です。
これで、カエルの成体が越冬したり、満水時にのぼって避難できるアイランドができました。
じきに草も生えてきて、隠れ場所や餌場にもなると思います。
また、土を掘り出したあとは、水がたまれば大きな水域になります。
この新たな水域は、産卵場所としての機能が期待できます。
またついでに、埋まりかけていた溝を掘り返してもらい、田植えをするエリアの形状も整形してもらいました。
ありがたや。
この土木作業が、1台+1人で半日あまり。
一人一人の力は僅かなものですが、人類の力は偉大です。
…もっと前からお願いしとけばよかった… (心の声)
さて、その後の環境がどうなっているか、またお知らせします。
よければぜひ田植え祭りに来てもらって、生まれ変わった?ダルたんを見てください。